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なぜ私たちはロボット会社RobotBankを創業したのか?

ニュース 2023-07-18 1,304 次

海外製品が抱える問題点

弊社は当初、主に企業のデジタルトランスフォーメーションや自動化に関するコンサルティングサービスの提供に力を注いできました。その流れを経て、2021年にはサービスロボット製品の販売代理店として事業展開を始め、企業向けの自動化ソリューションの提供を開始しました。今日において、サービスロボット市場はなお成長初期段階にある一方で、コスト面での優位性から海外製品が市場シェアの大部分を占有しています。

しかしながら、海外製品は必ずしも市場ニーズに完全にマッチしているわけではありません。弊社が創業から約1年の間に直面した多種多様な問題に挑むことは、大きな挑戦ではありましたが、私たちはそれを千載一遇のチャンスと捉えました。

これらの問題は大きく4つに分けられます。

(1)海外企業に関する問題
(2)海外企業が生産する製品に関する問題
(3)製品のサービスについての問題
(4)労働力不足などの社会問題

これらの問題について考えていきましょう。

(1)海外企業に関する問題

まず、(1)海外企業に関する問題についてです。この問題はふたつのポイントに分けることができます。一つは企業間の文化の違いによる認識のズレやコミュニケーションスタイルの違い、そしてもう一つは手続きや業務上の問題です。

特に前者については、日本の市場や企業運営ルールに対する理解が不十分な状態ではコミュニケーションがうまくいかず、製品やサービスの提供にも影響してしまいます。ロボットメーカーは往々にして効率性ばかりを追求しがちです。売上拡大を最優先することでスケールメリットを追求し、市場独占を図ろうとする傾向があります。そのため、販売を急ぐあまりに製造やビジネス開発プロセスの順守が疎かになってしまいまい、結果、製品やアフターサービスの品質が低下し、企業運営が不安定となり、代理店や顧客が懸念を持つという問題が生じました。

弊社では、新世代のロボットは、その機能がサービスそのものであるべきと考えております(RaaS)。そして、お客様は私たちのパートナーであり、一過性の取引で終わるのではなく、継続してサービスを提供し、伴走していくことが重要です。私たちは世界の一流企業の経営スタイルや手法から学び、高品質な製品とサービスを提供していかなくては、企業が持続的に成長することは難しいと考えています。

(2)海外企業が生産する製品に関する問題

次に、(2)製品に関する問題、特に製品設計についてです。まず一つ目は、外観や使い心地の設計、つまり、ロボットの形状、色、スタイルなどについてです。こうした設計にはメーカーの主観的な見解が過度に反映されてしまうことがあり、市場の需要に応えていない場合があります。二つ目は、製品の実用性、つまり、製品のサイズ、機能、構造設計などについてです。私たちは、デザインがロボットのパフォーマンスに影響を与えてしまい、顧客の課題を効果的に解決できないケースがあることに気づきました。

また、製品品質については以前と比べると大幅に向上していますが、材料の選択や設計の合理性にはまだ改善の余地があります。これは製品の品質のみならず、資源の有効活用にも繋がります。

さらに、ソフトウェア設計やプログラミングにも課題が散見されます。十分なテストを経ないまま市場に投入されており、使用中に製品の動作が不安定になってしまい、結果、顧客満足度に影響を与えています。

(3)製品のサービスについての問題

続いて、(3)製品のサービスについての問題です。この問題は製品そのものに起因します。設計段階で製造側の理念を込めすぎた結果、現場で実際に使用する側の視点が欠けてしまい、本来の目標である問題解決が叶わなくなってしまうのです。

また、現在のロボット製品は基本的にAIoT(Artificial Intelligence of Things)であり、継続な更新・改善が必要です。この更新も製品サービスの一部であるという点が従来の製品とは異なっています。したがって、設計の際には、製品自体の機能だけでなく、使用継続やサービス利便性についても考えなくてはなりません。弊社ではこのような考えに基づいて製品やサービスを提供することで、顧客の真の要求を満たし、問題解決策を提供しています。

問題発生時の対応にも課題があります。海外企業の多くの製品は海外市場向けに販売されていますが、国内市場では販売システムや顧客サービス体制が整備されていません。そのため、製品購入後、製品の更新ができず、問題が生じても対応できないという状況が想定されます。当初の顧客の問題を解決するどころか、新たな問題が発生してしまうのです。これは業界関係者が解決すべき重要な課題であると言えるでしょう。

さらに、時間やリソースの制約から、顧客と一体となってアップデートや最適化を進めることができず、顧客ニーズに対応できないという問題も生じています。そのため製品のメンテナンスや更新を適切に行うことができなくなり、製品の進化が遅れる原因となっています。

(4)労働力不足などの社会問題

最後に、(4)労働力不足などの社会問題についてです。現在、人口の減少に伴う労働力不足が深刻な社会問題となりつつあります。世界中に優れたロボット企業と製品が数多く存在していますが、こうした社会問題を解決できるロボットや自動化製品は、日本国内では特に不足しているのが現状です。弊社はそれを価値を創造する絶好のチャンスと捉えており、社会問題を解決できると確信しています。

さらに、私たちが直面している社会問題について、地域産業の革新と人工知能(AI)時代の到来という二つの観点から考えてみます。

まず、地域産業の革新についてです。工業革命以来、日本は製造業の先端を走ってきました。しかし、産業のグローバル化に伴い、革新的な新製品を生み出せなくなり、消費者のニーズに追いつけなくなってしまいました。特に製造業が盛んな都市において顕著で、新しいエネルギー車やAI関連など最新技術の導入や製品開発で遅れが目立つようになりました。これは地域経済や人々の生活に影響を及ぼしています。私たちはこれを深刻な問題であると考え、可能な限り地域振興や社会に貢献できるように努力したいと思っています。

また、AI時代の到来によって、我々の思考方法が変わり、すべての製品に新たな挑戦の機会をもたらしています。AIが登場する前と後では、製品のロジックなど、製品開発へ求められるものが大きく異なります。10年前の製品では、AI時代の新しい生活スタイルに対応することができません。私たちは新たな時代の要求に対応するために、製品設計と製造における考え方と手法を新しくしていく必要があります。

以前のようなシンプルな技術だけでは、新たな社会変革を生み出すことはできません。AI時代においては、すべての産業にとって調整と革新が必要です。そのため、今こそAI技術を活用してロボット分野を見つめなおし、参入する最適な時期だと私たちは考えています。

最後に

私たちはグローバルな業界最新情報を常に追い続け、顧客の視点から問題を見つめ、ユーザーにとって安心かつ最適な解決策や製品を提供し、導入して良かったと思っていただける支援を続けたいと考えています。言い換えれば、顧客が享受するのは製品の利便性や有用性、コストパフォーマンスだけでなく、全体を通じたサービス体験であって、幸せな生活に繋がるべきと信じています。そして、これを達成することができると私たちは確信しています。これが私たちの使命であり、使命の達成が私たち自身の価値実現に繋がることに大いなる喜びを感じています。

以上が私たちのロボット会社設立の主な理由です。

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